すでに経済効果も
宇都宮駅から終点、芳賀町の工業団地までおよそ15キロの間には、5つの停留所が、すぐ隣に、駐車場、駐輪場、バス停がある、乗り換え施設となっています。自家用車も含む、様々な移動手段をLRTと組み合わせることができます。交通弱者だけでなく、誰もが好きな手段、できる手段で移動して、街中に出て来やすい、コンパクトな街を作っていくためのLRTだということです。また、宇都宮市は開業前からすでに、沿線に経済効果も表れているとみています。

一方、総事業費は684億円。地下鉄やモノレールを整備するよりはかかりませんが、開業前の議論では、すでにある道路を走るバスを強化すればいいのでは、といった異論も出ていました。交通経済学などが専門の、関西大学、宇都宮浄人教授に現地で話を聞きました。
関西大学 宇都宮浄人教授
「開業前から、変化の兆しは明らかに見えてるわけです。新しい小学校ができたり、マンションが売れたり。今の地方都市は、みんなこれからどうしていくか困っていますが、一つの大きなヒントを得られると思うんです」
また、初期投資がそれなりにかかることについては、こう付け加えました。
関西大学 宇都宮浄人教授
「こういう公共交通は未来への投資だっていうふうに考える。お金が出ても、それが広い意味で町に返ってくる。各行政自治体はそういうことをぜひ、宇都宮から学んでほしいなという感じがします。もしそれがしっかり学べれば、地方都市もどんどん元気になっていくんじゃないかな。こうやって若い人が嬉々として電車を見つめ、乗ってる姿を見れば、次の時代は変わっていくんじゃないかなと期待を持ってます」
まずは乗ってみようという人たちで宇都宮駅東口は混雑しているのを見て、このように話していました。