『気が付いたら服や体が燃えていた』『犯人と鉢合わせ』生存者の証言

弁護側の冒頭陳述が終わると、続いて検察側が「証拠調べ」に入った。そこで、事件当時、炎上した京都アニメーション第1スタジオから脱出した従業員らの供述調書が読み上げられた。
(読み上げられた生存者の供述調書)
「私はすぐに窓から外に逃げようとした。とっさに鍵を開けて出ようとしたが、バランスを崩して転ぶようにして外へ出た。そこで、自分の服や体が燃えていることに気が付いた。頭は熱く全身に痛みを感じた。なんとか火を振り払おうとして火が消えたが、服がほとんど焼けて、肌が露出した状態になった」
この従業員は、外に脱出した直後、青葉被告と鉢合わせになったという。
「犯人が玄関から出てきて私と鉢合わせ、南の方角へ逃げていった。私が現場近くの住宅の前で、『目が見えません。誰かいませんか』と言うと、駆けつけた救急隊に『大丈夫?』と声をかけられた。
ストレッチャーに乗せられ、救急車で運ばれた段階で、記憶がなくなった。次に起きたら、9月下旬でベッドの上だった。全身にやけどを負い、皮膚の移植手術を受けていたことを知った。その後も、皮膚の移植手術を受け続けた」
読み上げられた供述調書によると、この従業員は25回もの皮膚移植手術を受けたということで、「人差し指は切断せざるを得なかった。爪もはがれてしまった。現在も麻酔をしていても体は痛い。顔もやけどで、今までの自分の顔ではなくなった」という。