「そうするしかなかった」「たくさんの人が亡くなるとは思っておらず」

罪状認否で青葉被告は、書面を読み上げた。
「起訴状に書かれていることは、私がしたことに間違いありません」「事件当時はそうするしかなかったと思っていて、たくさんの人が亡くなるとは思っておらず・・・」
声は小さく、裁判長に聞き直しされる場面もあり、被告は同じ内容を2度読み上げた。そして、やけどの影響で固まっている5本の指でペンを持って署名した。
弁護側は、事実関係については争わないとしたうえで、こう主張した。
「責任を問えるか、責任能力の有無については争います。
青葉さんは犯行当時、よいことと悪いこととを区別する能力、犯行を思いとどまる能力の両方か、いずれかが著しく減退していて、心神喪失で無罪であると主張します。
無罪でないとしても、責任能力が著しく損なわれており、心神耗弱で刑を半分に減軽されるべきです」
さらに、「建物の構造が影響している可能性がある」とも話した。
検察側は冒頭陳述で、「精神状態が犯行に影響したのではなく、被告のパーソナリティが現れたもので、完全責任能力がある」と主張した。
検察側は「被告は京アニ大賞に、自分の小説を応募するも落選させられ、それを盗用されたと一方的に思い込んだ。被告の自己愛や人のせいにしやすいパーソナリティから、自分ではなく京アニが悪いと思い込んで犯行に及んだ」と筋違いの恨みによる復讐だと主張した。