「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」まるで対等のように…

今後の補償について、東山新社長は「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕と、しっかり対話するのがいいのかなと思っている」と話しています。
ただ、被害者の皆さんは補償や救済のために、何度も被害を思い出さなければならないということになります。ですから今後の対応は、どれだけ丁寧に真摯に向き合えるかが大切になってくるわけです。
産婦人科医 宋美玄さん:
そうですね、東山さんのその言葉「夢を握りつぶされた彼らと、夢を諦めた僕」って何かまるで対等のように聞こえるけれども、全然立場が違いますし、救済とか補償って言いますけど、本来、加害者側が救済を行うものではないし、救えるような簡単なものではないと思うので、先ほどの生の声もありましたけれども、本当に何十年も苦しい思いがこれからも続くと思うので、そのあたりの重みをちゃんとしっかり受け止めてほしいというふうに思いますよね。
井上貴博キャスター:
性被害についてなんですけど、性犯罪や人権侵害について海外は今ものすごく厳しいです。一方で日本は「まだ甘い」と指摘されているところがあって、今後、ジャニーズ事務所と各企業がどう向き合うのか、様々な動きが出ています。メディアがどう向き合うのかも含めてです。
ジャニーズ事務所が加害者の名前を冠した会社名を変えないという方針も、「解体的な出直し」という言葉を骨抜きにしてしまっているなと個人的には感じます。

産婦人科医 宋美玄さん:
例えば、輸出産業の企業にジャニーズのタレントを使っていたら、世界でも買ってくれる人がいないような時代になると思うので、広告も外れるという流れで追い詰められていくのかなと思います。
被害者の方からすると、加害者の名前そのものを冠してそれを使っていく姿勢が、被害者の方を向いていないと受け取られても仕方がないんじゃないかなと感じます。
井上キャスター:
この補償についても、法律を超えるっていう言葉って聞こえはいいですけど「ノールールになる」ということでもあって、ルールを作らないと公平性はどうやって担保するのか、証拠がない中でどうやっていくのか。
本来、補償を受けるべき人が受けられなくなるリスクもはらんでいる中で、誰がトップに立ってどういうルールを作ってどう牽引していくのかは全く見えない。そこも危うさはあるんじゃないかなとは感じます。
産婦人科医 宋美玄さん:
性被害全体に言えることですけど、明確な証拠はないことの方が多いけれども被害はすごく甚大で、でも心に中にあるのでそれを測ることはものすごく難しい。評価の基準から作っていかないと駄目だと思うので、絶対に第三者の目を入れないと駄目だと思います。