被害者の救済と補償、どう算定する?認定後も道のりは遠く…

井上貴博キャスター:
大島さんも相当な覚悟を持って今回出演してくださっていると思うんですけれども、賠償の点についてもうかがいたいです。

人それぞれ違うのは賠償もそうで、法を超えて真摯に対応すると事務所は話している。でもどうやって一人一人認定していくのか、認定額をどう算定するのか、ここから大変な道のりがあると思います。

話しにくいかと思いますけれども、賠償について不安なことや求めていること、感じていることがあれば教えてください。

元ジャニーズJr. 大島幸広氏:
まずジャニーズ事務所が認めていただいて、謝っていただいた。それで今から補償の話と救済の話ということになるんですけれども。

ここはやはり、9人いる私たち当事者の会、ジャニーズ事務所、外部の専門家の三者が一体になって、救済や補償に対して相談しながら決めていくべきだと思いますね。

井上キャスター:
今回スタジオにお越しの大島さんが被害を受けたのが25年前ですね。もしその段階でメディアが報じて、社会がこの問題に取り組んでいれば、状況は変わったかもしれません。

今私がもっともらしい言葉を並べても説得力はありませんが、これから先がすべてだというふうに感じています。どう取り組んでいけるのか、報じていくことができるのか、それが試されているとテレビ局の一人として感じています。

大島さんはどうでしょうか?一連の事務所の会見をご覧になっていて「少しここが足りなかったな」、「ここの説明をもう少ししてほしかったな」などあれば、具体的な部分をうかがいたいです。

元ジャニーズJr. 大島幸広氏:
東山さんもおっしゃっていたんですけれども、やはりジャニーズ事務所側も手探り状態という感じで、できることをやっていくみたいな形です。

「時間が足りていない」みたいなこともおっしゃっていましたし、加害者側がどう被害者を救済していくかというのは、すごい難しいと思うんですよね。

だからそこは、僕たちも一緒になって救済をやっていけたらなと。今声を上げられていない方たちも10年後、20年後に声を上げるかもしれませんし。

ホランキャスター:
ウルヴェさんは、会見のなかで気になった点などありましたか?

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
当事者だけが知れることと、当事者だからこそ知ることができないことがあるだろうなと思いながら見ていました。

「組織体質」という言葉をよく使います。よい体質もあれば悪い体質もあるわけで、今回は悪い体質の部分で性被害があったにもかかわらず、認めるのにこれだけ時間がかかった。そしてその背景には、もっとおそらくいろいろな課題がある。

今回の記者会見では、もやっとしていますが「隠蔽」とか「忖度」とかいう言葉・表現も出てきました。それってつまりどういうことかという課題が、やはり内部ならではで出てくることと、内部だからこそ出せない・出したくないではなく、本当に気づけないということもあると思います。

そういったことはジャニーズの中の方と、専門家と、そして今、本当に被害があったと実際に言えた人がしっかり入っていく。そうすることで客観的に、建設的に、いろいろな支援体制などができるかなというふうに見ていました。

井上キャスター:
大島さん、言い残したことなどあればぜひ聞かせてください。

元ジャニーズJr. 大島幸広氏:
今後はジャニーズ事務所側と当事者との対話になっていくんですけれども、しっかりとした救済案をこちらも提示して、お互いが納得できる救済案を構築できたらなと

まだ声を上げていない方は、上げにくいと思いますけれども、しっかり私たちが被害者の先頭に立って救済を訴えていきますので、ぜひご連絡いただければいいと思います。お願いします。

井上キャスター:
本当に大変な状況のなか、覚悟を持って喋りづらい生放送にお越しくださって、本当にどうもありがとうございました。最後に笑顔を見られて少し安心しました。お身体お気をつけください。