木上さんが生前に出版した絵本…本多さん『彼もアニメ化を考えていた』

 その後、木上さんが京都アニメーションに入社する前の今から34年前にこの絵本「小さなジャムとゴブリンのオップ」が出版されました。

 (本多さん)「魔法使いの子どもの少年がおじいさんから魔法を勉強しているんですけど…」

 フウと呼ばれる小さな国に住む小さな魔法使いジャムはまだ魔法が使えず、おじいさんから勉強しています。
6.jpg
 ある日、ジャムが魔法の勉強をしていると、ゴブリンのオップが一生懸命穴を掘っているのが見えました。

 「こんにちはオップ。ぼくもいっしょにあそんでいい?」と、ジャムは友達のゴブリン・オップに声をかけますが、オップは穴掘りの仕事をバカにされたと感じ怒ってしまいます。
7.jpg
 「おまえの魔法でおれののぞみをかなえてみろ」と魔法が使えないことを知っていていじわるを言ったオップ。泣きながら家に帰ったジャムは、おじいさんから「勇気を持つと魔法が使える」というパンを1つ手渡されます。勇気とは何か。ジャムが考えて成長する物語です。
8.jpg
 当時、木上さんが描いた貴重な原画が今も残されています。

 (エクラアニマル 豊永ひとみ社長)「これは鉛筆で木上さんが描いた実際の絵が残っています」

 フウの世界観を細かく描写した繊細な鉛筆画。生き生きとした表情をしたジャムだけでなく、絵本には登場しないキャラクターも数々描かれています。
9.jpg
 (本多さん)「見てもらうとわかるんですけど、普通の絵本とちょっと違うところは、元々アニメ化しようと彼も考えていたから、絵のカット割りもアニメ用になるように作っていますよね。当時テレビ局とかも行って『どうですか』って言ったら『話はいいんだけどね、今流行りじゃないから温めときな』って断られちゃって」

 実は木上さん、アニメ化を見据えてなのか、全部で8話分のあらすじを残していました。