“遺体や遺品は地中に埋められていた”グラスノスチで新たな事実が判明

 実はこのときソビエト側は、もっと多くの遺体や遺品を回収していました。にもかかわらず、日本に引き渡されたのは、ごく一部で、大部分はサハリンで地中に埋められていたのです。
 このことは、ソビエトが崩壊する直前の1990年12月~1991年5月にかけて、政府機関紙「イズベスチヤ」の調査報道で明らかにされました(※2)。グラスノスチ(情報公開政策)により報道の自由が認められ、隠されていた多くのことが明らかになった時代。しかし、7年後にそんな時代が来ることなど、当時の乗客家族は知る由もありません。
 遺体も遺品も見つからず、なぜ撃墜されたのかもわからない…。
 乗客家族はやり切れない思いを抱えたまま、時間だけが過ぎて行きました。