ルール変更で、なくなる返礼品も

ルール変更、2つ目も見ていきましょう。

他の都道府県や、海外で生産されたものも、地元で加工すればOKだったものが、▼熟成肉と、▼精米に関しては、原材料が同じ都道府県産のみに

具体例です。
熊本・八代市の返礼品、黒毛和牛(1100g)は、寄付額1万円です。ただ、肉が九州産で、熊本産に限らない可能性があるということで、9月30日に受付を終了します。

また、愛知・碧南市では、白米食べくらべセット(2kg×6回配送)寄付額3万円のものが、産地が、新潟、魚沼、山形などだったということで、9月30日で終了することになるということです。

さらに、ルール変更、3つ目。これまで、地場産品と、地場産品以外がセットになった返礼品について、基準ができます。地場産品の価値が7割以上であれば、返礼品としてOKに。これまでも、地場産品が主である、というルールはあったんですけれど、具体的な取り決めというのが今回作られました。

具体例で見ていきます。大阪・熊取町では、ダイソンのヘアドライヤーと、地場産品のタオルのセット返礼品が、寄付額32万8000円。2つとも、4万6000円前後で、ほとんど同じぐらいの割合。「ふるさと納税ガイド」編集長の飛田啓介さんによると、「タオルを増やして寄付額を上げるか、返礼品自体を取りやめる可能性もある」ということ。

大阪・泉佐野市では、2022年度のふるさと納税額は、全体で約137億円ですが、うち25%ほどの、32億円分が熟成肉と精米です。

泉佐野市の成長戦略室ふるさと納税担当理事の塩見健さんによると、「地場産品も少なくて、これまでアイディア勝負で寄付額を伸ばしてきた。地元事業者の売り上げも減ってしまう。ルール変更には困惑している」ということです。

若新雄純慶応大学特任准教授:
うちは有名な特産品がないっていう町は、返礼品に魅力的なもの出せないので困っていたんですよ。一時、問題になったが、Amazonギフトカードや、コーラを返礼品にするところもあって、あなたの街に関係ないじゃんっていうことで制限がかかってきた。それじゃあ、目立つ特産品がない町は、どうすればいいのか。でも、元々は、特産品目当てではなく、お世話になった町に返そうというものだった。寄付先を、自分が10年以上在籍していたとか、そこで生まれ育ったとかっていう町に限定するなどしないと、持続可能な制度にならない可能性はある。