地元応援のはずが、“返礼品合戦”に

ホラン千秋キャスター:
円安などの影響もあって、すでに値上げしてる自治体もあると思います。それに加えて、新しいルールで、お得感は減るのかもしれません。そもそも、その自治体を応援したいというところが発端ですしね。

若新雄純慶応大学特任准教授:
ふるさと納税は、僕の地元の福井県の、当時の県知事が提案したと言われている。田舎って、税金を使って子どもたちを育てているのに、その子どもたちが働くのは都会、納税するのも都会で、人材を送り出すだけ。なんか、よそに取られているみたいな感覚があった。地元で育てた若者が、都会で活躍するのはいいけど、そこで稼いだお金、住民税の一部でいいから、地元に入れてくれるといいなみたいな。そのお礼に、返礼品をつけましょうっていうところから始まった制度。

ただ、僕みたいな、良くないふるさと納税ユーザーは、自分の地元に対してではなくて、メロンが大好きなんで、全然行ったこともない、地元でも何でもない、北海道の小さな町に、全振りして、ふるさと納税している。いま、10何個もメロンが僕の家に届いている。つまり、関係ない町だけど、この町の特産品ってめっちゃいいじゃん、お得じゃんって感じになっていった。“特産品合戦”が始まってしまって、特産品が過剰になり、本来の目的を果たしていないんじゃないのっていうところから、いろいろな問題が噴出した。まさに実験中のプロジェクトって感じですね。

ホランキャスター:
システムは、何度か変わってますよね。

南波キャスター:
2019年にも規制強化されて、さらに2023年も、ということになります。考えてみれば、隠れ経費についてのルール改正も、自治体のために使われていなかった寄付額が、その分使えるようになるわけで、プラスなんじゃないかという見方もあるかもしれません。