10月からの「ふるさと納税」のルール変更を受けて、9月に駆け込み申請が増えています。変更によってどのような影響があるのか?詳しくみていきます。

“隠れ経費”で寄付額値上げ

南波雅俊キャスター:
ルールの変更点を見ていきたいと思います。

返礼品と送料などの経費を合わせて、寄付額の5割以下にしましょうというのが、これまでのルールでした。

ただ、寄付金受領書の手数料や送料、ワンストップ申請の事務手続きなども含めて、“隠れ経費”というものがあります。10月1日以降は、この隠れ経費も含めて、5割以下にしましょうと。これが、1つ目の大きなルール変更点です。

具体例を見ていきましょう。

ふるさと納税額、全国8位の福岡・飯塚市では、「鉄板焼きデミソースハンバーグ」(20個)が、寄付額1万円。ハンバーグ1個が140gですから、結構なボリュームがあり、お得です。

このハンバーグだけで、寄付額は約50億円。飯塚市全体で91億円ですから、半分以上をハンバーグが占めてるというくらいの人気。

2022年度は、返礼品プラス経費で、寄付額の49.77%と、ギリギリでやっていたものが、隠れ経費も含めると新ルールでは65%を超えてしまう。それでどうするかというと、10月から寄付額を5000円プラスして、1万5000円にするということです。

ほかにも値上げ予定の返礼品に、広島・呉市の、▼サーロインローストビーフ(800g)寄付額1万2000円、▼冷凍かきフライ(60個)寄付額1万1000円、などもあるようです。

「ふるさと納税ガイド」編集長の飛田啓介さんによると、「ルール改正で、返礼品の量が減ったり、質が落ちたりする可能性がある。また、寄付金受領書の送料などが、利用者負担になる可能性も出てくるのではないか」と見ているわけです。