
それぞれの地域に合ったクマ対策を
旭川市はこの夏から、NPOにクマの調査や啓発を委託しています。
島牧村の吉澤さんは、そのNPO職員になりました。

クマ対策の第一歩は、「地域のクマを知ること」。
そのために、吉澤さんたちが、まず設置したのは「ヘアトラップ」です。
地面に打ち付けた木に、鉄線をまきつけます。
木に体をこすりつける、クマの習性を利用した調査で、体毛を採取し、生息するクマのDNAを調べます。

NPO法人もりねっと北海道の代表、山本牧さんは「クマは年代・性別によって行動パターンが違うので、それがわかった上で、それに合わせた対策をする」と話します。

島牧村がたどりついた対策が、人口や地形など条件が違う旭川市に、そのまま当てはめられるわけではありません。
吉澤さんは「それぞれの地域が持ってる環境を、クマ対策に合わせて考えるとどうなるのか。地域、地域でやっていかなきゃいけない」と強調します。

どんな暮らしを望むのか。
そのために、どんなクマ対策がふさわしいのか。
小さな村から生まれた問いは、北海道全体に向けられています。