「クマが出た後の対策」も
島牧村が大切にしていることの一つに、ハンターの育成があります。
銃の購入費用などの補助を継続し、村ではベテランハンターのほか、30代や40代の若いハンターも活動しています。

ベテランハンターの1人は「山から下りてきたら、反省会を兼ねた飲み会があって、親睦を深めて、教え合う。そういう意味では指導はうまくいっている」と話します。
また若手ハンターも「先輩たちの姿を見ているから、段取りもわかっているし、なんとかクマを捕れた」と先輩ハンターの姿に刺激を受けています。

5年前の騒動を経験し、ことし8月に任期を終えた、藤澤克(ふじさわ・まさる)村長は、7月末の取材で「人間の暮らすところとクマの暮らすところを明確に分けて、人間は安全安心に暮らしていくっていうことを確保しないといけない。村がこれからも持続可能的に存続していくためには重要な課題だという思いでクマ対策をやってきた」と振り返ります。

「クマが出る前の対策」と「クマが出た後の対策」。
島牧村はその両輪の対策を、地道に続けてきました。
村によりますと、5年前の出没件数は89件だったのに対し、去年2022年度は33件までに減少。
山と住宅地の距離が近いため、電気柵より山側にいるクマが目撃されることもあるため、「出没ゼロ」にはなっていません。
ただ5年前のように、住宅地に連日クマが侵入して被害を及ぼす騒動は、その後は起きていません。