世界最大&世界最古の養殖システムで豊かな暮らし
オーストラリアウナギは、世界最大のサンゴ礁グレート・バリア・リーフの東にある深海で生まれ、稚魚がバジ・ビムの南にある海岸から川を遡上し、コンダー湖にたどりつきます。

グンディッジマラ族は、湖から引いた水路に小型のウナギだけが通ることが出来る仕掛けを設置。
仕掛けの先にある池には、小型ウナギがたまり、それが育つのを待って食べたのです。この養殖システムによって、彼らはいつでも安定してウナギを手に入れることが出来るようになりました。
6600年前にコンダー湖を舞台に先住民が始めた養殖は、世界最大かつ世界最古の養殖システムのひとつと言われます。

かつてオーストラリアの先住民の多くは定住せず、移動しながら狩猟採取する生活を送っていました。
しかし、ウナギを安定的かつ計画的に手に入れることが出来たグンディッジマラ族は家を作り、水辺に定住したのです。
彼らはさらにウナギを燻製して保存が利くようにし、交易品にもしました。
まさにウナギと共に生き、ウナギによって他の先住民よりも豊かな暮らしをしていたのです。

ちなみに現在のオーストラリアではウナギは日常的には食べないそうですが、鰻料理を出す店はあります。食べた撮影スタッフよると、「燻製したウナギはイマイチだったけど、皮をパリパリになるまで焼いた料理は美味かった」そうです。ビールのお供に良いみたいです。