今月(8月)、岡山市北区の表町商店街の空き店舗に一風変わった書店がオープンし話題を集めています。職業も年齢も様々な約40人が運営に携わっているというこの書店、どんな魅力が詰まっているのでしょうか。

その店の魅力を探るべく店内に入ってみると…始まったのは、タロットカード占い?

「典型的な婚期を逃した系ですね」

ところが、この店の売りは占いではありません。「個人が自宅などから本を持ち寄って販売している」のが特徴だといいます。ちなみに、本職が占い師というこの女性が持ち込んだのは…

(ミギワアキラさん(岡山市在住))「ゲッターズ飯田さんの『運の鍛え方』

(ミギワアキラさん(岡山市在住))「もともと、古本業には興味はあったんですけど、一人でやるにはハードルが高かったので。『一箱貸し』ならできるかなと思って」

今月5日、表町商店街の空き店舗に1か月間の期間限定でオープンしたシェア型書店、「みんなの表町書店」です。

本を売りたい人は1区画を2千円で借り、高さ45センチ、奥行き30センチの木箱を原則持ち込んで新刊書や古書を陳列。

価格は自分で決め、POPをつけるなどアピールの仕方も自由です。考案したのは、商店街で婦人服店を営む、片山進平さんです。

読書好きで、商店街の書店が昔より減ったことに寂しさを感じていた片山さん。読書家同士の交流拠点として、都市部でシェア型書店が増えていることを知り、商店街の活性化に繋げようと企画しました。

(片山進平さん(42))「昔はたくさん本屋さんがありまして、自分もよくいろんな本屋さんに行っては、漫画を買ったり、立ち読みしたりみたいなことで、過ごしてきた。集客が出来るということは商店街にとってプラスですし、ちょっとでも盛り上げたい」

SNSでの呼びかけにより、岡山県の内外から44人が出店しています。出店者は交代で接客もこなします。

(ミギワアキラさん)「店番をしている時に、本を買ってもらって、話が弾んだりしたら楽しいですね。自分の家の本棚を見られているような感じがしてちょっと恥ずかしい」

それぞれの木箱の中で光る出店者の個性…。鉄道ファンに…写真家など、レアな本も並びます。

(訪れた客)
「いろんなジャンルの本があって、手にとってビックリ箱みたいですごく楽しいです」
「本を販売するのもいいし、お客さんとして通い詰めるのもアリ」

(片山進平さん)「店舗に来ていただいて、この空気感とか、店番の方とコミュニケーションをしていただたら」

様々な背景を持つ出店者との触れ合いも楽しめる「みんなの表町書店」。営業は9月3日までです。

【解説】
最終的には「常設店舗」にすることが目標だそうです。出店者の職業は様々で、大学教授、美術館の学芸員、主婦、会社員、介護福祉士などなど…。

なお木箱は原則持ち込みですが、2000円で借りることも可能です。その場合、出店料2000円+木箱を借りる費用2000円、合計4千円が初期費用で、本の売り上げは、全て出店者に入る仕組みです。なお、店番は出店者が交代で行う決まりだそうです。