石川県は7月中旬から記録的な猛暑とともに雨の少ない状態が続いていて、金沢市を流れる犀川では水不足への懸念が高まっています。流域にあるサトイモ畑では、十分に水を供給できず、葉が枯れるなどの被害が出始めていて、今後、他の農作物への被害も懸念されます。

ダムの貯水率は24% 雨量は平年のわずか1割

金沢市の山あいを流れる犀川に向かってみると…

流量が減った犀川=金沢市天池町、28日午前

「あ、水がかなり少ないですね。岩肌がくっきり見えますし、川の底が見えてしまっています」(兵藤遥陽アナウンサー)

川を流れる水が減り、川床が一部、干上がっていました。

上流にある犀川ダムでは、8月に入ってから28日朝までに降った雨の量は41ミリで、平年の8月1か月のわずか10分の1に留まっています。

ふだんは水で隠れている岩肌がむき出しになった犀川ダム=24日撮影、石川県提供

ダムの貯水率は28日朝の時点で24.0パーセント。満水のときと比べると、岩肌がむき出しになっているのが分かります。

サトイモは葉が枯れる 収穫量半減

犀川の流域にある辰巳農園。15年ほど前からサトイモなどを育てている元県職員の小坂隆さん(77)は、これほど雨が降らないのは初めてだといいます。

黄色く変色した葉を見せる小坂さん 県職員時代には犀川ダムでの勤務経験も=28日午前、金沢市上辰巳町

「サトイモは野菜の中で一番水気を欲しがる。今までは大きくなりすぎるくらいになっていたが、こんなのは初めて。異常や」(小坂さん)

この畑は用水からの水が引けない位置にあるため、給水は雨に頼らざるをえない状況です。

「これでは育たない。葉っぱがみんなやられる。斑点になる。本当は丈は今の倍ほどにならないといけない。そうしないとサトイモが小さいのしか採れない」(小坂さん)