2022年、人から誘われ、素人の演芸大会で、初めて高座にあがりました。
自分でしゃべる面白さに目覚め、大学に落研を立ち上げ、旅館などで開かれる素人寄席にたびたび参加。
その様子をSNSで発信していたところ、寄席の主催者の目にとまり、前座として、憧れのプロと同じ舞台に立つことになったのです。
本番まで残り数日ですが、8月は、店長を任された市内のバーでほとんど毎日働いています。
1年半程前に、居酒屋のチェーン店をやめて、選んだのは、個人経営のこの店。
田口さん:
「ここの性質的に人と話すとかが多くて、向いているかなって思ったのが一つと、学部がけっこう経営系のこと学んでいるところで近しいことも学べるんじゃないかなって」
まだ将来を決めかねている中で、大学での学びを生かせる環境にやりがいを感じています。

田口さん:
「将来か・・・具体的じゃなんですけど、親には心配かけないようにちゃんとしたっていうか。落語に孝行とみたいな話あったと思うんですけど、そういう一番大事なことじゃないかって個人的に思っていてとか何とか言っていますけど、仲めっちゃいいわけじゃないですけどね。でもやっぱ感謝もしてますし、こうやって育ててくれて落語も教えてくれて、今の自分がけっこう満ち足りているんで、それが本当にある。
本当に根底としては親のおかげかなって思ってるんで、やっぱ感謝だけは忘れちゃいけない。恩返しはしなきゃいけないなって常々思っております」
親の負担を少しでも減らすために働く田口さん。
仕事と落語で忙(せわ)しない毎日ですが、限られた時間を使って稽古を重ねます。
今月20日。迎えた本番当日。
この日の観客はおよそ100人。これほどの大舞台は初めてです。