先月末に駆除されていたヒグマの「OSO18」。今回の駆除の経緯などについてお伝えします。

ヒグマ「OSO18」被害は…

南波雅俊キャスター:
今回のテーマは「OSO18」についてです。北海道によりますと、今回駆除されたヒグマは、

・オス 10歳以上(推定)
・全長 2.1m
・体重 330kg(推定)

とても大きく、相当大きな牛も襲っていたということです。

これまでの経緯です。被害が起きていたのは、北海道標茶町、厚岸町の2つの町です。
2019年から2023年6月までの約4年間に、乳牛66頭が襲われ、そのうち32頭が死にました。
今回駆除された場所は、これまで被害が無かった釧路町です。

これまでなぜ捕獲できなかったのか?

OSO18は、警戒心が強く、頭もいいということです。

通常のヒグマは、餌に対する執着心が強いので、食べ始めても、その近くからは離れないということですが、OSO18は少しだけ食べたら、その場を離れるということです。

さらに、地元では「忍者グマ」とも呼ばれていて、移動した痕跡をほとんど残さないということです。

標茶町の担当者の方に話を聞くと「クマは基本的に水の中を移動するので、そこまで痕跡残らないクマもいますが、OSO18の場合は、特に残さないという、かなり際立っている」ということです。

そして、7月30日午前5時ごろに、釧路町で数日にわたって農地に頻繁に出没したヒグマを捕獲して駆除しました。

8月10日に釧路町は、もしかするとOSO18の可能性があるのではないかということで、標茶町を経由して、体毛のDNA鑑定を行いました。
そして22日に分析の結果、OSO18と発表されました。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
2019年から被害が出ていて、人に危害を加える可能性もあったので、駆除されたことは良かったと思いますが、なぜ街中に来て、食べ物をあさったりしていたのかを考えると、OSO18が食べるべき餌とかが無くなってきていて、それは気候変動の影響もあったのかなと思います。

ホランキャスター:
街と山の境目が、近年どんどん近づいて分からなくなってきている中で、自然環境の生き物たちは、どうやって生息するべきかですよね。