福島第一原発の処理水の海洋放出が迫る中、宮城県多賀城市にトリチウムの測定検査を行なう施設が7月、開設されました。この施設では1か月以上かかっていた測定を大幅に短縮できる「迅速分析」を実施します。

大友惇之介記者:
「多賀城市に開設されたトリチウム検査施設です。福島県沖でとれた魚が持ち込まれ、トリチウムの量が測定されています」

多賀城市に7月開設されたのは海洋生物環境研究所の多賀城分室です。処理水の海洋放出が迫った7月から検査が行われていて、14日は福島第一原発から5キロほどの沖合でとれたヒラメの「迅速分析」が行われました。「迅速分析」ではまず、ヒラメの身およそ10グラムを細かくします。

その後、燃焼装置に数時間入れて高温で乾燥させトリチウムが含まれる水分を回収します。その水分から余分な有機物を取り除いて薬品を混ぜ測定機にいれます。薬品がトリチウムに反応し光を発することでその光の強さや発光の回数をみて水分中のトリチウムの量を測定するということです。