失語症は、言語を司る機能を損なって起こる症状です。具体的には脳の病気や怪我などで脳の一部、言葉を司る部分を損傷すると、言葉を全部忘れてしまったわけではないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」すべてに渡って、うまくいかなくなってしまうのです。そんな方々を出演者にした朗読群像劇の公演「言葉つなぐ明日へ」が、7月1日に品川区のきゅりあん 小ホールで開かれたので取材しました。

朗読群像劇「言葉つなぐ明日へ」公演の模様

男性【1】
「ちょっと皆さんいいですか?今日も取材に入るんですが、皆さんやっぱりそうやって毎日の生活の中で何か不自由を感じるってことが、他にもあるんでしょうか?」

男性【2】
「そりゃもういっぱいあるよね。失語症は喋ると言葉が不自由だって分かるけど、僕は高次能機能障害も併発してるから、脳のワーキングメモリがめっちゃ低くて、言いたいことも聞いたことも2~3秒で忘れることもあるもんね」

女性
「そうそう。だから約束をダブルブッキングしちゃったりね。メモに取ったり、録音したりするけど、でもこれは見えない障害だから、健常者にはなかなか理解してもらわれへん…」