祭りの開催を前に今泉地区のコミュニティセンターには震災前のけんか七夕の写真が展示されていました。
「懐かしいです」「元気いいよな」
震災前、今泉地区にはおよそ600世帯、1700人を超える人が住んでいました。
当時は4つの地区ごとに山車を作り、多くの住民が祭りに携わっていました。
しかしかさ上げされた新しい今泉に戻ってきたのは260世帯に満たず、人口は半分以下の620人あまりです。
街並みには空き地が目立ち、コミュニティの再建が課題です。
7月30日、「藤切り」作業が行われました。市内の山林で山車を補強するためのフジを伐採します。この日作業に参加したのは25人。若手の姿も多いように見えますが・・・
(気仙町けんか七夕祭り保存連合会 村上大介さん)
「震災前ですと1台分作るのにだいたいそれくらいの人数だったので25人、30人くらいで藤切りに行ってたので、今2台分をその人数で採りに行くっていう感じなので多そうには見えるんですけど本当は倍くらいはいないと」
祭りを愛する有志による保存連合会のメンバーで山車づくりを行っていますが、人手不足は否めません。
祭り前日、カスミの新入社員らが陸前高田市を訪れ、山車の上で使うササに三色の短冊を取り付けたり、祭りを告げる提灯を設置したり。細かい作業に精を出しました。
(気仙町けんか七夕祭り保存連合会 小野田未樹さん)
「めちゃめちゃ助かります。アザフとかも折ってもらったんです、今年。だから作業がやっぱ例年に比べて早く進んだんで」
今年は震災後初めて、気仙川にかかる姉歯橋を山車が渡りました。「けんか」は夜の部の2回だけでしたが、山車のぶつかる迫力に盛り上がりは最高潮に。
(気仙町けんか七夕祭り保存連合会 佐々木冨寿夫 会長)
「とにかくみんなの協力がないとできないってこと、みんなに分かってほしいし、これからまだまだ人手不足がどうなるか、分からないものですからね。だから頭が痛いんですけどもなんとか継続しないと」
人手不足は深刻ですが、伝統を引き継ぎ、地域を盛り上げるための努力はこれからも続きます。
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