8月9日は78年前、岩手県釜石市が連合国軍による2度目の艦砲射撃を受けた日です。市内では戦没者追悼式が開かれ、艦砲射撃の悲惨さを伝え、平和への願いを込める合唱曲が歌われました。

遺族や市民などおよそ100人が出席した式典では遺族を代表して戦争で父と伯父3人を亡くした佐々木郁子さん(80)が「時が経ても悲しみがこみあげてきます」と追悼の言葉を述べました。
式では1945年7月14日と8月9日の二度にわたり連合国軍の艦砲射撃を受けた釜石の悲惨な体験と平和への願いを伝える合唱組曲、「翳(かげ)った太陽」が歌われました。
感染症対策のため、2020年から3年間は式典での合唱が取りやめとなっていて、4年ぶりの歌声となります。
砲弾の直撃によってわずか8歳の教え子を亡くした教師の思いが綴られた歌には戦争がもたらす悲劇とその悲劇を二度と繰り返さないという強い誓いが込められています。その思いは、合唱に参加した若い世代の心にも響いています。

「戦争がないように平和になるように込めて歌いました」
「艦砲射撃のことを歌う前はあまり知らなかったので、その恐ろしさを知ることが
できました」
「戦争のことを後世に伝えるようなことをしたいです」

出席した人たちは花を供えて戦争の犠牲になった人々を追悼し、平和の誓いを新たにしていました。