■骨抜きチキンの方針?

岸田総理はアメリカのバイデン大統領との首脳会談で防衛費の「相当な増額」を表明しました。JNNの世論調査によりますと、防衛費の増額については「賛成」が55%、「反対」が33%となっています。


骨太の方針の安全保障のブロックで、当初は本文下の「脚注部分」にあったのが以下の文言です。

「NATO諸国は国防予算を対GDP比2%以上とする基準を満たすという誓約へのコミットメントを果たすための努力を加速することと防衛力強化について改めて合意した」

防衛費の増額については、安倍元総理が繰り返し「数値目標を骨太に入れるべき」と主張。最終的に「5年以内」との目標期限が記された上、NATOが国防予算を「GDP比2%以上」にするよう動き始めたことも本文中に「格上げ」されました。

財務省のある幹部は、安倍元総理の要求が次々と反映され原案が修正される状況に
「一体、誰が総理なんだ?これは骨太の方針ではなく、骨抜きチキンの方針だ」
憤りを隠しませんでした。

■防衛費の財源は?


防衛費の大幅増額で避けて通れないのが「財源」です。将来世代への借金ではなく、「恒久財源」の確保が必須条件と財務省は考えています。
ドイツは1000億ユーロの特別基金を設立して、償還方法については別途法律で定めるとしていますし、スウェーデンはたばこ税・酒税の引き上げや銀行税を導入する予定。
チェコは資金調達のための防衛投資ファンドの設立を検討するなど「財源」もセットで提示しています。