最高齢は96歳 認知症、受刑者同士による介護も日常化
「席へ戻れ!」

社会復帰を目指し、平日約8時間の就労経験を積む受刑者。現在、受刑者の最高齢は96歳。受刑者同士による介護も行われていて、認知症を発症した者もいます。
塀の中で死亡する受刑者が少なくなく、将来への悲観からしょく罪の気持ちを保てなくなる者もいると言います。
(岡山刑務所 職員)
「入所者の高齢化もありますし、刑期も長いので生活する中で、どう、しょく罪の気持ちを忘れることなく生活させるかというのは大変だと思います」

(龍谷大学 浜井浩一教授)
「誰も社会で待っている人もいない社会に、出る希望もない。『自分のような存在は消えて無くなってほしい』とみんなが思っていると思ったら、生きてはいけない」

「刑務官の心情としても、被害者のことを考えつつ受刑者の立ち直りも考えなくてはいけない。立ち直りだけではなく、刑務所の中でちゃんと生活して生きていくことをさせなくてはいけないということを考えた時、刑務官自身も苦しいとは思う」
刑務所の高齢化 出所した後も。。。

高齢受刑者が増える理由は、無期懲役囚に限りません。【画像】のグラフのように、2021年に入所した65歳以上は13・8%、過去最高を更新しました。
要因として「出所した高齢の元受刑者の受け皿が乏しく、生きづらさから再び罪を犯し刑務所に戻るケース」が指摘されています。出所後の支援制度も拡充されているものの、社会の理解はいまだ十分ではありません。
(龍谷大学 浜井浩一教授)
「刑務所で死んでいくべきなのか、そうではなく認知症になった人であれば刑罰を執行しても意味がないのだから、社会で福祉を含めた仕組みをつくって社会で死んでいける、暮らしていける状況をつくることが望ましいと考えるのか、そこは市民が納得しなければ、制度をどんなにいじくってもうまくはいかない」
(受刑者)
「自分がどうしてここに来ているのか、何をしてここに来ているのか、それを考えると自分がしっかりしなければいけない。立ち直る気持ちをもって頑張らないといけないし、それに尽きると思っている」

罪を犯した者と社会は、どう向き合うべきのか。塀の中で高齢化が進んでいます。