ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻は開始からすでに3か月余りが経っています。ウクライナ出身で岩手県北上市在住の女性に現地の状況、そして今の思いを聞きました。
北上市郊外の住宅地に掲げられたウクライナ国旗。夜にはライトアップをしてふるさとに思いを馳せます。
ウクライナ出身のトムシンスカ・ナターリアさん(39)。
(トムシンスカ・ナターリアさん)
「未だに言葉が見つからない、自分の中では、嫌いなのはもちろん嫌い、そうやって人に、そういう事をする、自分の所に入ってきているのは許さない、理解できない、ひとつの言葉あるとしたら、まだ自分の気持ちが見つからない」
ポルタワ生まれのナターリアさんは、18歳の時、仕事のため来日し、その後、北上で2005年に結婚。家族4人で幸せな日々を過ごしてきましたが…その暮らしは一変しました。
(夫・千田利克さん)
「以前に比べれば、楽しい話は減ったのかなあと」
(次女・ソフィアさん)
「顔色とかも変わってきて、いつものママらしくないな」
美しいふるさとは、変わり果てました。平和な北上にいることが「罪悪感」だと言うナターリアさん。寝室で楽になってはいけないと1人リビングに移り、座布団を下に毛布1枚で寝ています。
(トムシンスカ・ナターリアさん)
「家族に何も言わずに、2人とも卒業式、入学式、それをちゃんとやって(ウクライナに)帰りたかった。平和にいる自分が、仲間が苦しんでいるのが、もう裏切っている、自分が自分を。ふるさとを裏切っている気持ちになって」
6月5日、ナターリアさんの実家の様子が映りました。ここには母・ラリーサさんが1人で暮らしています。
絶え間なく兵士への食事を作るため、休むのは玄関脇のいす。そして地下の貯蔵庫が避難場所です。この日も4回の空襲警報があったと言います。
(母・ラリーサさん)
「(ナターリアさんは)世界一の娘です。戦争が早く終わって、皆が死なないことを願っている。助けられない人ががれきの下にいっぱいいる。自分たちはまだ良い方です。ウクライナが早く立ち直ってほしい」
ナターリアさんは集まった募金をポルタワのボランティア団体に送っています。防弾チョッキや薬などの購入、利用に充てられています。参加者は今1500人に増えていると言います。
(ボランティア団体の代表 シェレメトゥ・アンドリーさん)
「言葉に言い表わせないくらい岩手からの募金に感謝している」
アンドリーさんから届いたのは、6月5日、首都キーウ近郊を飛ぶミサイルの動画でした。
(トムシンスカ・ナターリアさん)
「みんな、1つの家族。ミサイルのない人生、地雷もない人生、もう一回、前みたいに幸せになってほしい」
北上でできることをしながら見果てぬ平和と帰国を望む日々。ナターリアさんの苦悩は続いています。
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