


クスコからマチュピチュまで走っている鉄道に沿って撮影したこともあるのですが、途中にも多くのインカ帝国の遺跡があります。アンデス一帯を支配した帝国は、山脈全域にさまざまな建築物や遺構を残したのです。
その極めつけと言えるのが世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」。これはインカ帝国が作ったアンデスの道路網で、アルゼンチン、エクアドル、コロンビア、チリ、ペルー、ボリビアの6カ国にまたがる世界遺産です。道の総延長は、4万キロ以上。クスコやマチュピチュなど帝国の拠点のみならず、山間部から海岸地帯までつながっていました。番組では、その一部で世界遺産になっている吊り橋を撮影したことがあります。藁を編んで作った手作りの橋で、地元の人は毎年掛け替えて、今でも道として使い続けていました。その技術はユネスコの無形文化遺産にもなっています。


南北に長く変化に富んだアンデス山脈の自然と、そこに花開いたインカ帝国など先住民の文明。この二つが、アンデスに多くの世界遺産を生みました。
今回紹介した以外にもたくさんの世界遺産があるアンデス山脈、一度は行ってみたいところです。