専門家「地方では博物館の統廃合もあり得る」 簡単に値上げできない理由は
小川彩佳キャスター:
電気代高騰で博物館が資金難というのは、少し考えが及ばないところでしたね。

山本恵里伽キャスター:
想像していなかったですよね。博物館に詳しい追手門学院大学の瀧端真理子教授によると、「公立博物館でこの状況が続けば、▼新しい展示資料が買えない。▼地方では博物館の統廃合もあり得る」ということなんですね。
つまり、魅力的な展示ができなくなってしまうそうです。

ただ、この状況を改善するのはそう簡単ではなさそうです。理由の一つが収益構想にあります。
公立博物館の主な収益の柱というのは、「入館料」と国や地方自治体などからの「公費」、つまり私たちの税金です。
「入館料」を上げればいいのでは、と思うかもしれませんが、▼少しでも多くの方に来ていただきたい、さらに▼値上げには手続きがかなり必要なので、そう簡単にはあげられません。
また、「公費」も子育て支援など他の政策が優先されて、博物館に充てられる予算が削られやすいという傾向があります。
つまり現状では、収益が大きく増える要素が少ないということです。
小川キャスター:
そうしたなかでなるべく多くの入館者ということを考えると、私も海外で旅行したときに博物館・美術館をよく訪れるのですが、無料開放の時間帯があったり、ポップな展示があったり、結構気軽さを感じるところが多いんです。そうした身近に感じられる博物館がもっと増えていけばいいなと思います。
多額の寄付で運営が成り立っている大英博物館

山本キャスター:
海外の例を見てみたいと思います。
イギリスの大英博物館ですが、入館料は無料です。誰でも気軽に利用できるので、国民だけではなく、観光客の皆さんからも親しまれている。こうした人と博物館の距離が近いということもあって、多額の寄付が集まって運営が成り立っているということなんです。
小川キャスター:
寄付というと少し遠く感じるところがあるかもしれないですけれども、日本でも前に比べると、クラウドファンディングやふるさと納税などで寄付文化というのは育ってきているような気もします。「私たちが文化を守るんだ」という意識をもっと持つということも必要だと思います。
山本キャスター:
足を運ぶというのも一つのステップです。














