インバウンド需要が回復する中 “ヴィーガン(動物性食品を口にしない “完全菜食主義者”)” など、多様化する食文化にも対応して外国人観光客を呼び込もうと2日、飲食関係者などへのセミナーが開かれました。

食の多様性に詳しいフードダイバーシティ 守護 彰浩 代表取締役:
「(外国人で)『私、ベジタリアンです』って言ってくれる人は、実はすごく少ないんです。
『(客は自分が)べジタリアンって言うと、大抵サラダ出されちゃうので食べない』。
『(客から)ベジタリアン』と言われたら『精進料理を出しているので大丈夫』(と思っている店も多い)」

食の多様性に詳しい講師を迎え、飲食店やホテルなどの関係者が参加して開かれたセミナー。

野菜や果物など以外は口にしない『ヴィーガン』や、宗教上の理由で豚肉やアルコールなどを食べない『ムスリム』の人たちに対応する際には、それぞれ個別にメニューを用意するのではなく、具材や調味料などを工夫すれば、共通して食べることができる料理になる上、食材のコストや調理の手間も省けることなど紹介されました。
例えば、長崎名物のちゃんぽんでは──?

守護さん:
「イスラム教徒(ハラール)であれば、練り物は結構、お酒を使っているんで(かまぼこを)麩とかにしてもいいんじゃないかなと。
ベジタリアンの方であれば、豚とかを厚揚げに変えたり。
ご当地料理を対応しようとすると、こういった感じになります」

動物性食品を使わない “ヴィーガン対応のちゃんぽんスープ” その味は?

四海楼(※楼は旧字体の楼)陳 優継社長:
「ちゃんぽんの雰囲気は出ていますよね。食事に制限のある方にとっては、ちゃんぽんの雰囲気をみてもらう手段としてはアリだと思いますね」

ヒルトン長崎 芦塚 豪 副総料理長:
「ヴィーガンに対応できているメニューは数が少ないので、ヴィーガンで網羅して提供できるような何かを、今後、考えたいなというのはありますね」

参加者は、近年の食の多様性をビジネスチャンスと捉え、外国人観光客に選ばれるメニューを考えたいと話していました。