ロシア軍がウクライナに侵攻して、100日以上が過ぎました。ウクライナのゼレンスキー大統領は「我々は100日間、国を守った」と今後も徹底抗戦を続ける姿勢を強調。一方、プーチン大統領は5日、ロシアの国営テレビで「(ウクライナに)長距離ロケット弾が供与されればこれまで標的にしてこなかった対象を攻撃するために我々の武器を使用する」と発言し、武器供与を表明する欧米を強くけん制しました。プーチン大統領は今後どのように動いていくのか?ロシア外交に詳しい慶應義塾大学の廣瀬陽子教授に詳しく伺います。

■ウクライナ「我々は100日間国を守った」プーチン大統領「攻撃対象拡大も」
井上貴博キャスター:
プーチン大統領の新たな発言とアメリカ側の新たな分析、この2点を軸に見ていきます。
<最新の戦況>
6月3日、ゼレンスキー大統領は「我々は100日間国を守った、我々は勝利する。ウクライナに栄光あれ、英雄たちに栄光あれ」と発言。そして6月5日、キーウで4月下旬以来のミサイル攻撃が確認されました。少なくとも1人が病院に運ばれたとロイター通信は報じています。同じ5日、今度はセベロドネツクで「ウクライナ側の反撃で半分を奪還した」と主張、これもロイター通信が報じています。
<プーチン大統領の新たな発言>
5日に放送されたロシア国営テレビのインタビューで、プーチン大統領は「(ウクライナに)長距離ロケット弾が供与されれば、これまで標的にしてこなかった対象を攻撃するために我々の武器を使用する」と、ウクライナだけではなくて標的が増えると、欧米を牽制した発言をしました。

<ウクライナへの武器供与>
そういったことも考えて、欧米はかなりバランスを取りながら武器の供与を行っています。ウクライナ側は最大射程300キロの▼多連装ロケットシステム(MLRS)が欲しいと言っていますが、実際のところ欧米が渡している武器というのは、アメリカが供与を表明している▼高機動ロケット砲システム「ハイマース」やイギリスが供与する方針を発表した▼多連装ロケットシステム「M270」など射程80キロ。長距離の方に傾かず、短距離を渡してなんとか武器で支援していくという微妙なバランスが続いているわけです。
ホラン千秋キャスター:
廣瀬さん、もし仮にこの300キロの射程のものを供与した場合、どのような摩擦が新たに生まれるのでしょうか?
慶應義塾大学総合政策学部教授 廣瀬陽子さん:
ロシア本土が攻撃される可能性が高まりますので、非常に戦闘がエスカレートしてくる可能性が高いと言えます。そうなるとアメリカなどの第三国が介入せざるを得ない状況というのも生まれるかもしれません。それをアメリカとしてはなんとしても避けたいのだと思います。
ホラン千秋キャスター:
プーチン大統領の「長距離ロケット弾が供与されれば、標的にしてこなかった地域も標的になる」というような発言がありました。これは具体的にどのあたりが標的に入ってくるのでしょうか?
慶應義塾大学総合政策学部教授 廣瀬陽子さん:
可能性としてはいろいろありますが、例えばNATO加盟のことで問題になっている北極圏の地域を含んだ北ヨーロッパの方とか、またバルト地方なども焦点に入ってくると思います。ただ私は実際に攻撃する可能性は極めて低いと思います。そういうところを攻撃すると、それこそアメリカやイギリスなど第三国が入ってくる可能性が極めて高くなり、ロシアの勝算は極めて低くなります。
ロシアとしても、やはり長距離のロケットを供与して欲しくないからこそ、今の状態が厳しいからこそ、こういう発言に出ているのであって、本来的にはそれを望んでいないということがこの言葉尻からも表れていると思います。
ホラン千秋キャスター:
そうすると、プーチン大統領としてはどこまで見過ごす姿勢を貫くのでしょうか?
慶應義塾大学総合政策学部教授 廣瀬陽子さん:
おそらくロシア本土に攻撃がない限りは見過ごすと思います。

















