国立ハンセン病療養所長島愛生園で夏の花火大会が行われました。新型コロナにより制限されていた一般客の参加が再開され園内に賑やかな声が帰ってきました。

毎年、夏祭りで園の外との交流を続けてきた長島愛生園。新型コロナによって2019年を最後に島の外から人を招いて花火大会を行うことはできませんでしたが、今年は4年ぶりに賑わいを取り戻しました。
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)「元気な者は(祭り以外でも)子どもの声を聞く機会があるけれども、外に出ていけない人は子どもの声を聞くのをとても楽しみにしている」

これまで行われていた盆踊りや屋台はありませんが、それでも多くの人が島を訪れました。かつて国の誤った政策によって強制隔離されていた入所者の人々。長島の夜空を照らしたおよそ2000発の花火は外部との交流の象徴でもあります。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)「いつもの感じと変わらないけど盛大に感じましたね。やっぱり多くの人に見てもらえるのはうれしかったです」

(訪れた人)「大きいのが何発も上がってすごかったです。入所者の人がいるじゃないですか。みんな『わ~』ってなっていて、こっちも気持ちよくなりました」

(訪れた人)「立派な花火をありがとう」
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)「いえいえ」
(訪れた人)「うちの子どもがごめんね」
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「帰っちゃった?」
(訪れた人)「1発も見れなんだ。来年。また来年な」

本土と島を結ぶ橋が架かり35年。差別・偏見と闘ってきた入所者たちと寄り添う人々の時間が取り戻された夏です。