複数案が挙がっていた富山県武道館の建設予定地について、検討委員会は25日、県総合運動公園の敷地内とすることを決めました。

蔵堀副知事:「五福公園と県総合運動公園の候補地についてご意見をいただければと思います」

今回が最後の開催となる県武道館整備基本計画の見直し検討委員会。25日は建設予定地について、詰めの協議がおこなわれました。

築50年以上が経過した県武道館は2027年度の開館を目指し、当初は地上4階建てで、延べ床面積およそ1万4800メートル平方の施設を、富山駅東側に新築移転する予定でした。

しかし、資材費の高騰などで建設費が87億円から110億円に上昇したことや、駐車場確保の点などから計画を見直し。

その後、建設費を抑えるため2階建て構造への変更案が出ましたが富山駅東側では敷地が狭いとして、新たな候補地として「五福公園」と「県総合運動公園」が加えられました。

「富山駅東側」が事実上、候補から外されるかたちとなり、富山県は建設予定地を一つに絞った案を示しました。

富山県スポーツ振興課 加藤課長:「県としては県総合運動公園ののびのび広場が候補地として望ましいと考えています」

理由として富山県は富山インターチェンジからのアクセスが良く大会の会場に適している、公園内に陸上競技場や体育館があり、スポーツ施設が集積するエリアとなる期待感、敷地が広く駐車場が確保できて拡張性があるためなどを挙げています。

富山県が立地や整備費、利用者の意見などを総合評価すると、県総合運動公園が29点、五福公園が26点となります。

富山市 今本雅祥副市長:「結論から申し上げますと私はいまの説明を聞いて、県が基づいた方向性については賛同の立場をとらせていただきたい」

岡本仁 県武道協議会理事長:「やっぱり今は車の時代なので、車を停めれないとどうしようもないことがあって、少しぐらい遠くても仕方がないのかな」

喜多進 県スポーツ協会副会長:「あそこ(五福公園)には第2種の陸上競技場があり、サブグラウンドが必要である。それから現行、サッカー等の大会も五福では行われている。大きな障害がある。サブグラウンドは無くしてはいけない」

一方で異論を唱える有識者も…。

富山商工会議所 橋本淳副会頭:「点数全体から見たときにそんなに差が無いんであれば、やはりこれだけ80億から100億かける施設決めるのであれば、より強くね、(開館時期を)延期してでももっと議論を深める価値があったのではないか」

富山経済同友会 麦野英順代表幹事:「ベストチョイスはできないのではないか、全て叶うところはない。そんな中で点数も1点や2点しか違わないし、点数で引っ張られるのもおかしい。どこかで割り切るしかないのでは」

ただ、最終的には県総合運動公園に対する反対意見は出ませんでした。その結果…。

堀田朋基 県スポーツ推進審議会会長:「この委員会としては基本計画の改訂版について了承したということにしたいと思います」

今後、富山県は8月上旬から中旬にかけてパブリックコメントをとり、県総合公園を建設地とする計画を、9月県議会の補正予算案に盛り込む方針です。