「実存主義」をけん引し、世界に大きな影響を与えた20世紀最大の哲学者、ジャン=ポール・サルトルの傑作「恭しき娼婦」。

冤罪をかけられて逃走する黒人青年をかくまう娼婦リズィーを奈緒さん、街の権力者の息子フレッドを風間さんが演じます。物語はアメリカ南部が舞台で、リズィーに虚偽の証言をさせようと、その黒人青年と由緒ある家系の白人の男どちらを救うか選べと迫ります。
街全体で黒人を犯人と決めつける状況の中で、リズィーが下した決断は…。実力派の2人が人間の深層心理をあぶり出す意欲作に挑みます。

公演初日を前に、奈緒さんは“紀伊國屋ホールは初めてでしたが、だいぶ慣れてきました。きょう、こうして沢山の方が客席に座って、あー、こういう感じなんだと新鮮な気持ちで緊張もあるけど、一生懸命やりたいです”と語ると、風間さんも“僕も素晴らしい作品に出会えたと思うので、ぜひ、沢山の人に観てもらいたいです”と意気込みを語りました。
以前、ドラマで共演した奈緒さんと風間さん。4年ぶりの共演について、奈緒さんは“ドラマでは同じシーンが無く、打ち上げで少しお話をさせていただいただけで、いつか同じ場で2人芝居ができたらと思っていたので、今回は風間さんに信頼しかありません”と答えると、風間さんも“僕も信頼しかない。そう互いに思っているのはありがたい”と笑顔を見せ、“素敵な笑顔の印象の奈緒ちゃんがみじんもなくて。役柄として、むき出しの感情がそこにいるので、惚れ惚れする。僕も風間俊介でなく、フレッドとして背筋が伸びる思いです”と互いに良い刺激になっている様子。

また、風間さんは稽古中の思い出として、奈緒さんと演出の栗山民也さんとのやりとりを挙げました。奈緒さんが稽古の合間、カレーパンのようなものを食べていた時、栗山さんが「どうした?急にカレーパンなんか食べて」と聞くと、奈緒さんは「これ、カレーパンじゃなくてフィナンシェなんです」と答えたやりとりがすごく記憶に残っていると語りました。奈緒さんは“あの時、(栗山さんから)怒られるのかと一瞬、私もビクッとしてしまって…”と、稽古の最中に物を食べ始めたことをとがめられると思ったと告白。続けて、“栗山さんも1つ欲しかったということで仲良く食べました”と、ほのぼのとした稽古場の様子を明かしました。

また、風間さんと同じ所属事務所で、親友の相葉雅紀さんが主演を務める舞台「ようこそ、ミナト先生」が「恭しき娼婦」と同じ、6月4日に公演初日を迎えますが、風間さんはお互いの舞台の進捗状況は共有しているそうで、“なかなかお互いに観に行くのは難しいかな”としつつ“心配な部分はありましたけど、おそらく大丈夫であろう生田斗真の舞台も始まりますし、同世代がこうやって、改めてみんなで頑張っているという時間はありがたいし、負けていられないなと思います”と、同期の仲間たちから刺激を受けていることを明かしました。東京公演は6月4日(土)~19日(日)まで、紀伊國屋ホールで行われます。
【担当:芸能情報ステーション】