陸上男子100mの日本記録保持者・山縣亮太(29・セイコー)が2日、オンラインで取材に応じた。
世界陸上オレゴン(7月16日~25日・日本時間)の代表選考会を兼ねる日本選手権(6月9日~12日・ヤンマースタジアム長居)の欠場を5月25日に発表していた山縣。昨年10月22日、長年不安を抱えていた右膝にメスを入れ、現在はリハビリに取り組んでいる。「手術をした昨年10月時点では、2022年シーズンも頑張っていきたいというところで、なるべく早く手術をする決断をしたので、それがかなわないことは残念」と心境を語った。
そして「今ここで時間をとることによって、来年の世界陸上、再来年のパリ五輪に向けて大きいチャンスが巡って来る、そんな期待感もあって、自分としては今やっているトレーニングもすごく充実していますし、悔しいけれども充実した日々を過ごしている」と復帰後の自分に期待を膨らませた。
昨年の東京五輪では、山縣が2走を務めた男子4×100mリレーで、1走の多田修平(住友電工)とバトンがつながらず途中棄権。日本選手権の欠場で、今年の世界陸上の舞台に山縣自身は立つことができないが「『世界一になりたい』という思いは特に東京五輪を走ったメンバーは思っていると思うし、東京五輪での出場はなかったものの、栁田大輝くん(やなぎた ひろき・東洋大1年)とか若い選手も世界を目指してやっていると思うので、そういった若い選手や思いを持った選手が活躍して躍動してくれるのを楽しみにしたい」とエールを送った。
復帰の時期については具体的に決まっていないものの、焦ることなく前を見据えている。
2023年シーズンから本格的に復帰を目指し「来年4月の織田記念やグランプリシリーズで(世界陸上や五輪の標準記録の)タイムを狙っていけるようにしたい」と話した。
今月10日に30歳を迎える山縣。「年齢の差は感じていない」という力強い言葉を残し、
来年の世界陸上、再来年のパリ五輪に向け、新たなスタートの準備をしている。