◆勇気ある告発を、目を開けるきっかけに

改めて自身の立場をはっきりしておくと、私は(別の事務所のアーティストにくらべて)特別多い方とは言えませんが、ジャニーズのアイドルにも何度か楽曲提供したことがありますし、ここ数年はジャニーズ所属タレントの冠番組から依頼を受けて出演することもあります。

そんな立場にありながら、今まではよく知らなかったこと、知ろうとしてこなかったことに対し、強く恥じる気持ちがあるんです。その悔恨の思いがあるからこそ、繰り返しこの問題についてコメントを続けています。

私にとって、そのきっかけは英BBCで放送された番組『J-POPの捕食者』でした。大きなショックを受けました。でも、この番組を見ていない人もいるでしょうし、今回の服部吉次さんの勇気ある告発がきっかけになったという人もいるでしょう。目を開いてください。特別な世界だからといって、子供への虐待を免責するようなことは、ぜひやめていただきたい。

◆知名度のある人こそソーシャルアクションを

7月1日にツイートして以来、名前は出しませんが、事務所の方、メディアの方、ビッグネームのアーティストなどからもたくさん支援のメッセージをいただいています。なかには、私に物品の差し入れをしてくださる方もいます。

でもほとんどの方は「自分は表立って何もできないけどね」と一言おっしゃる。そう言うしかない現実が、この業界には確実にあるんです。じゃあなぜ私はこうやって繰り返し発言しているかというと、その慣習に従ったり、黙って通り過ぎたりすることに対して、嫌悪感を抱くセンサーがほんの少しだけ敏感なんだと思います。そのセンサーだって、今年3月のBBCの番組までは反応していませんでした。

やっぱり知名度のある方に特に呼びかけたいです。「知名度の平和的な利用」というか、有効活用であるソーシャルアクションを起こしてください。そこに及んでこそ、真の意味での「尊敬される」アーティストだという風潮になることを願っています。