あの風景が戻ってきました。
熊本地震で被災し、一部区間で不通となっていた南阿蘇鉄道が、7月15日、7年ぶりに全線での運転を再開。沿線が笑顔で溢れました。

後生川 凜 アナウンサー「今日、南阿蘇鉄道が全線での運転を再開します。現在午前4時過ぎですが、高森駅にはすでに多くの人がそのときを待っています」

先頭の人(京都から)「昨日の13時25分から並びました」

Q目的は?
先頭の人(京都から)「そりゃあもう南阿蘇鉄道の全線復旧の一番列車に乗ることです」

南阿蘇鉄道は熊本地震で、大きな被害を受け中松(なかまつ)・立野(たての)の区間は不通となっていました。あれから7年3か月、立野駅前に店を構える高瀬さんもこの日を待ちわびていました。

ニコニコ饅頭 髙瀬大輔さん「やっと現実味が湧いてきた感じはします。きょう一日を楽しみたい」

立野行きの始発列車が高森駅を出発しました。

一番列車の乗客「感動ですね。全線復旧のニュースがあった頃から指折り数えてました」


一番列車の乗客「沿線の方たちも嬉しいでしょうね、久しぶりで」

列車が来ない駅舎でカフェの営業をしながら再開を待ち続けていた久永さんも喜びを爆発させました。

久永屋 久永操さん「地震当初はあまりにも災害がひどすぎて、もしかしたら鉄道は廃線になっちゃうかなという心配もあったんですけど、今日こんなにみんなでお祝いできることをずーっと待ち望んでいたので。それが今日現実となって、やっぱり南阿蘇鉄道はお客さんが乗ってこその南阿蘇鉄道だなと改めて思いました」

そして…
「復旧の難所とされた第一白川橋梁を通過しています」

地元の人の歓迎を受け列車は立野駅に到着しました。

電車を出迎えた人たち「おかえり~」

地元の人「やっと来たなって」「(人が)いっぱい乗ってたから感動しました」

乗客「この日のために7年間待ってました。地震前に見ていた景色のひとつひとつ、もうやっと帰ってきたというそれだけの思い」

一番列車の乗客「涙が止まりませんでした」

一番列車 寺本顕博運転士「本当に感無量です。たくさんの人に私たちの鉄道が愛されているんだなということ。もうね、こっちの方が感激してしまいまして、そんな気持ちで運転をしておりました」

ニコニコ饅頭の高瀬さんは、到着した乗客に自慢の饅頭を配りました。

ニコニコ饅頭 髙瀬大輔さん「地震を乗り越えた親友として、うちも南阿蘇鉄道も再スタートを切って」

髙瀬さん「南阿蘇鉄道は人を運んで、うちは笑顔を伝えるという感じでやっていけたらと思います」

被災を乗り越え、再び走り出した南阿蘇鉄道は全線再開を機にJR肥後大津駅への乗り入れも開始。

地域や観光の交通手段として、南阿蘇のシンボルとして、再スタートを切りました。