「いま君は幸せか?」植松死刑囚に聞きたいこと
一矢さんは、事件で一時は生死の境をさまよいました。
当時、一命はとりとめたものの、ショックから、母親のチキ子さん(81)が握る大好物のおにぎりも食べようとしませんでした。
「どんなに重度でどんなに言葉が出なくてもちゃんと意思疎通はとれるんです。罪のない人を殺してしまうことに関しては絶対許せない」
父親の剛志さん(79)とチキ子さんは、事件の直後から被害者家族の中で唯一、実名と顔を出してメディアの取材に対応してきました。

「何も恥ずかしくない。障害があったってなんだって普通の子じゃないかって。裁判を通して世間の人たちにきちんと、重度の知的障害の人たちのことを知ってもらいたい」
事件から3年半が経とうとしていた2020年1月にようやく始まった裁判。
その直前、剛志さんは、被害者参加制度を使って植松死刑囚に聞きたいことがあると話していました。

「いま君は幸せか?現時点で幸せを感じているかってことをまず聞きたい。
それと、お父さんお母さんに対してどう思っているのかなってことをね。
お父さんお母さんごめんねとか、懺悔の気持ちがどっかにないかなってそれを探りたいと思ってるんです。少しでもそういうところが見えたら、彼も人間だったなって思いたい」