「一矢さんは人を信じる気持ちを持っている」

一矢さんは、信頼関係の深まりから自分を強く表現するようになった一方で、同時に、相手の要求を受け入れる、ということもできるようになりました。
「大きい声を出さないで」と言われると、止めるようになったのです。
大坪さんは、人との関係を築くのが上手な一矢さんに感心しています。
「美味しい世界を手に入れた、それを手放しちゃいけないっていうのがあるんだと思うんですよ。今の暮らしの自分のペースでできるっていうことに喜びを感じているんだと」

「一矢さんは人を信じるという気持ちを持っていて、そういう一矢さんだからこそ、ロールモデルとしてみんなに示すことができる。同じ重度知的障害者の目標になれる一矢さんの暮らしを発信することで、『地域で暮らすのは無理』という結論にしない、というのを頑張っているところです」