『生きている間に相談に乗ろう』生前契約で相手の意思を聞く

ユニークな制度を設けて事態の打開に動いている自治体もあります。神奈川県の横須賀市です。
(横須賀市地域福祉課 北見万幸福祉専門官)
「生きている間に何の相談にも乗らなくていいのだろうか、というのが最大の問題意識ですね。亡くなったら身寄りがいないという方は先に相談に乗ろうじゃないかと」
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横須賀市では、ひとり暮らしで頼れる身寄りがなく所得や資産も少ない市民を対象に「エンディングプラン・サポート事業」を展開しています。登録した市民に、市と提携する葬儀社と生前契約を結んでもらい、希望する葬儀や納骨についてあらかじめ伝えてもらいます。26万円ほどの料金も市民が前払いします。市は葬儀社が契約を履行するまでを見届けます。
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また、安否確認なども兼ねて市の職員が定期的に登録者の自宅を訪問。生活や健康維持について相談に乗ったり提案をしたりもします。取材班はこの日、88歳の登録者への訪問に同行しました。
(市職員)「認知症予防のためにこういうことをしましょうと、いろいろ書いてありますからね」
(登録者)「認知症になったらこんなの読めないもん」
(市職員)「認知症にならないために…未病というのがね」
(登録者)「食事はちゃんとしているから」
(市職員)「規則正しい生活と食事を…」
(登録者)「お弁当と…」
(市職員)「人の話を全然聞かないでしょ…」
(登録者)「しゃべりたいの。だって何にもしゃべってないもん、毎日毎日」
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2015年に事業をスタートして以降、登録する市民は増え続け、2023年3月末時点で累計124人が登録。そのうち54人が亡くなり、市が無事に納骨までを見届けました。この事業によって火葬や遺骨の管理などを市が行った場合と比べると、1000万円以上の支出を回避できたといいます。
(横須賀市地域福祉課 北見万幸福祉専門官)
「(身寄りがない人)ご本人の意思を聞かずに火葬するというのは、ちょっと乱暴というか。市民なんだから先に聞いちゃえばいいわけですよね。聞いていく中でご本人が払うというような形になれば、他の市民の方々から頂戴した税金は無駄にならないとは思いますね」
残された者にしわ寄せが行くことを少しでも避けるためにも、現実的な知恵がいま求められています。
(2023年7月13日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)














