「夢を持つことや夢に向かって努力することの大切さ」を伝えていくために、日本サッカー協会が2007年に始めた「夢の教室」。これまでの実施回数は2万537回で、現役のアスリートをはじめとする約1500人の「夢先生」が子供たちに夢を持つ素晴らしさやきっかけを伝えてきた。フィギュアスケートで2022年の北京五輪団体銅メダルの樋口新葉(わかば)選手(22、明治大学/ノエビア)は、小学校5年生の時に授業を受けた一人。今回は夢先生として千葉県市川市立稲荷木(とうかぎ)小学校の5年生のもとを訪れた。授業を受けた生徒が先生を務める、この17年目ではじめての瞬間を高橋尚子キャスターが取材した。
「ゲームの時間」と「トークの時間」
まずは体育館で夢先生と子供たちが協力して様々なゲームを行う「ゲームの時間」。ボールやフラフープを使った様々なゲームを通して伝えるのは、協力し、互いを思いやることの大切さです。樋口選手も子供たちも終始笑顔の絶えない様子で楽しんでいました。
高橋尚子キャスター:五輪選手が自分たちと一緒にこうやって体を動かして話してくれるっていうことが、自分たちも頑張り続ければ、オリンピック選手になったり、夢を叶えられるんだっていうのを現実に感じられる瞬間だと思います。
教室へ移動し、「夢曲線」を黒板に描きながら、困難を乗り越えて夢に挑戦した体験を話す「トークの時間」。フィギュアスケートを始めた3才から現在までの実績や経験したこと、気持ちの変化を黒板に書きながら語りました。
幼少時代の輝かしい成績に、生徒たちからは「えー!」「すごい!」という声が。しかし3才から中学3年生まで順調に右肩上がりだった夢曲線は、ケガや思うように結果が出なくなったことから高校1年生でガクッと下がります。
樋口新葉選手:(平昌)五輪まで残り1年という時に、とても調子がよかったです。五輪シーズンにすごく調子がよくて、ほとんどの大会で表彰台に乗っていました。自分でもすごく自信があったし、うまくいっているから五輪にも出られるんじゃないかなっていう期待もありながら、最終選考会の大会に出場しました。
樋口選手:でも結果は4位で、なんと五輪に出られませんでした。ずっと夢だったのに五輪に出られなくて、もうすごい、ほんっとに落ち込みました。もうどうしようって。この先五輪に出られなかったのに、なんのために生きたらいいんだろうと思うくらいすごく落ち込みました。
今回の授業で樋口選手が一番伝えたかったのは「夢を叶えた瞬間」ではなく、2017年の全日本選手権で4位となり平昌五輪代表に落選、幼い頃からの夢が敗れた瞬間です。その時、心を奮い立たせてくれたのは、かつて夢先生から学んだ、諦めないことの大切さだといいます。
樋口選手:(夢曲線が)すごい上がって下がって、上がって下がって、上がってってなって、気持ちでは波がすごく激しいけど、全部共通して言えるのは、五輪出場の夢っていうのを諦めなかったってことがすごく一番大事だったし、もしみんなの中に、やりたいことがあったら最後まで諦めないで続けていって欲しいなって思います。
樋口選手の授業はいろんな夢のきっかけに。生徒からは・・・
女子生徒:将来の夢が有名なアイドルになって・・・みんなが笑顔になれるようなアイドルになれるように、今頑張っていることを諦めないで最後まで挑戦しようと思いました。
男子生徒:将来の夢は体操選手になって世界で活躍したいです。新葉選手みたいにケガや思ったように結果が出なくても諦めないで体操選手の夢を叶えられるように頑張りたいです。














