7月11日の初公判の罪状認否で、片桐被告は「やったことについては、間違いありません。ですが、相手の同意があったと認識しています」と、量刑の軽い同意殺人だったと主張しました。

 これに対し検察は「宮田さんは、自分と一緒に死ぬことを前提に承諾したが、被告人は死ぬつもりがないのに、あるように装って殺害した」と指摘。

遺体が埋められていた帯広市の雑木林

 一方、弁護士は「被告人は(宮田さんが)同意していると思い、殺害に及んだので、同意殺人が成立。犯行に追い込まれたのは、被害者の言動にある」として、情状酌量を求めていました。

 公判3日目の7月13日は、片桐被告への被告人質問が行われました。

 争点となっている同意殺人について、片桐被告は被告人質問で、下記のように話していました。

・弁護士
「犯行前の午前4時半ごろ、宮田さんに『もう、死ぬしかない』と伝えた時の心情は?」
・片桐被告
「この人から逃げるために、これが終わるために、逃げたい、死にたい、その一心でした」

・弁護士
「なぜ、宮田さんが2回、頷いたと思うか?」
・片桐被告
「私が妻と別れずに一緒にいたこと、妻と子と生活を続けていたこと、別れ話をいつもしていたが、その時は、いつもより強く言ったことが被害者にとってショックだったのかなと思った」

・弁護士
「犯行時の心情は?」
・片桐被告
「何も考えられていなかった。余裕がなかったと思います。気づいた時には、被害者の口から血が出ていたのが見えて、殺害してしまったと思った」

・弁護士
「宮田さんが亡くなった後、自殺を試みたか?」
・片桐被告
「考えることができなかった」

・検察
「犯行後、自殺しようと思わなかったのはなぜか?」
・片桐被告
「家族との生活を思い浮かべて考えてしまった。家族と一緒に暮らしたいと思ってしまった」

・検察
「被害者が死亡したから(片桐被告が)死ぬ必要がなくなったのではないか?」
・片桐被告
「自分の生活を守るために、被害者を手にかけようとは思っていなかった」
「死に追いやったのは事実ですし、生き残ったのは事実だったが、だまして相手を死に至らしめようとは、まったく考えていなかった」

被告人質問で、犯行時の心情語る