「絶対泣かせんな」仲間を負けさせない覚悟と決意
夏の大会開幕後の7月9日。聖光学院のグラウンドではある特別な試合が行われました。

この夏、背番号をもらうことができなかった3年生・控え選手の引退試合です。
高中主将をはじめ、主力の選手たちはサポート役に回ります。

集大成となる舞台に立った3年生22人は2年半、培ってきたものを一球一球に魂をこめてぶつけていきます。
打席に向かう、二本松市出身の佐々木蓮選手。去年秋の県大会からチームの応援リーダーとしてレギュラー選手の背中を後押ししてきました。
佐々木蓮選手「本当に区切りの日というか最後の日だったので、後悔する形では終わりたくないなと思って全力でやれることをやりました」
そして、気持ちのこもったフルスイングで、選手としての高校生活最後の打席を終えました。

佐々木蓮選手「自分のできるプレーをやりきれて悔いはないかなと思います」
試合が終わると、3年生たちは大粒の涙を流しながら、これまでの2年半苦楽を共にしてきた戦友に感謝の思いを伝えました。

斎藤智也監督「一段と覚悟と決意と使命感を持って、死んでも負けんなよ。そういう集団だというプライドを持て。こいつら(控えの選手)これだけやれんだからな。後ろについているから、力をもらうんじゃなくて喜ばせ、絶対泣かせんなよ」
佐々木蓮選手「自分たちはグラウンドでプレーすることはできないので、自分たちの分もやりきって最後まで戦ってほしい」
高中一樹主将「今日の試合を通して、より控え選手を絶対に負けさせないという気持ちがチーム全体として前以上なものになった。聖光学院として全員で束になって戦うのが自分たちの持ち味なので、それを最大限に生かして絶対日本一とります」
目標とする日本一へ。レギュラー選手、そして控え選手が一体となり、オール聖光学院で全国の頂点を目指します。