子どもたちの間で感染症が流行しています。咳や鼻水など風邪のような症状が見られる「RSウイルス」は去年の約5倍。のどの痛みがみられる「ヘルパンギーナ」は去年の約41倍で、過去10年間で最多の患者数になっています。こうした中、ひっ迫する医療機関も出てきています。

『RSウイルス』『ヘルパンギーナ』感染者、2022年を上回るペースで増加

東京・港区にある小児科のクリニックを訪れた親子。

クリニックばんびぃに 時田章史院長
「熱は、昨日からですよね?」

2歳児の母親
「インフルが終わって、先週は平気で、今週また…」

クリニックばんびぃに 時田院長
「喉は赤いけど『ヘルパンギーナ』みたいな喉はしてない。『コロナ』と『RSウイルス』とかそのあたりは確認しておきましょう」

そして検査の結果…

クリニックばんびぃに 時田院長
「『インフルエンザ』は陰性だけど、『RSウイルス』が陽性。今すごく流行っているので」

2歳児の母親
「きょうも本当は仕事だったんですが、切り上げて早退している。周りも保育園も(感染者が)多いと言われているので、仕方ないですね」

このクリニックでは2023年5月以降、患者が急増。7月6日も次々と親子が訪れました。

クリニックばんびぃに 時田院長
「例年の1.5倍くらいの印象。熱が落ち着いていたのに、2週間3週間でまた熱が出てというような“発熱を繰り返す”お子さんたちが多い」

特に今、増えているのが『RSウイルス』や『ヘルパンギーナ』の感染者です。どちらも乳幼児がかかりやすく、『RSウイルス』は熱や咳、肺炎などの症状が出るのに対し、『ヘルパンギーナ』は熱に加え、喉の痛みや、口の中に水ぶくれなどの症状が出るのが特徴です。

いま、『RSウイルス』や『ヘルパンギーナ』の感染者が、2022年を大幅に上回るペースで増えています。国立感染症研究所によると、全国約3000の小児科の医療機関で、6月25日までの1週間に『ヘルパンギーナ』と診断された患者は1万8176人でした。

1医療機関あたりの患者は5.79人で、2022年と比べて、約41倍。過去10年間で最も多くなりました。

『RSウイルス』と診断された患者も2022年に比べて増えています。