1日20時間眠り続ける過眠症『クライネ・レビン症候群』。100万人に1人から2人の割合で発病する難病を、沖縄県内に住む中学生がことし1月に突然発症しました。RBCは今年3月に少年の病気の現状を取材しました。
現在は眠り続ける『過眠期』が明け、一見日常生活が戻ったように見える少年ですが、病と向き合って日々を過ごす姿から支援の在り方を考えます。

原因は不明 難病を発症した中学生のいま

記者
「お疲れ様でした。疲れた?」
ひろと君(仮名)
「疲れたというか、お腹空いた」
記者
「どうですか、テスト勉強に向けて調子は?」
ひろと君(仮名)
「やばいと思った。そういえば何も勉強してなかったなと思って、学校行ってるのにテストの1週間前まで家でだらだらゲームしてたから」

中学2年生のひろと君(仮名)。今は『寛解期』と呼ばれる、病気の症状が出ない期間です。

前回取材をした3月、『過眠期』に入っていたひろと君。この時期は一度眠りについてしまうと、叩いても大きな声で呼びかけても、全く起きる様子がありませんでした。

ひろと君(仮名)の父
「(肩を叩いて)起きてみて。おはよう。(もっと強く叩く)おーい!おはよう、起きて!おはよう、起きられない?」

1日20時間眠り続ける過眠症『クライネ・レビン症候群』。ひろと君はことしの1月、突然この病気を発症しました。

記者
「最初に自分で変化に気が付いたのは?」
ひろと君(仮名)
「夜の9時に寝て次の日の午後3時くらいに起きて。起きたらめちゃくちゃ時間経ってたから『うぉ!』って思った」

クライネ・レビン症候群は、100万人に1人から2人の割合で発病するといわれています。強い眠気をもよおす『過眠期』を年に数回繰り返し、症状が自然に収まるまで平均で14年かかります。

琉球大学病院 普天間国博医師
「発病の原因はわかっていないんですけど、過眠の時期というのはどうやら冬眠に近いメカニズムが働いているようです」

ひろと君の過眠期が明けたのは、4月頃でした。