「社会に取りこぼされる」親子が抱く将来への大きな不安 

記者
「表情や喋り方が前よりも眠く無さそうに感じる」
ひろと君(仮名)
「前よりは今のこの時間帯は眠くない」
記者
「変わったことや困ったことは?」
ひろと君(仮名)
「困ったことは、将来のこと。高校は入ってほしいと両親に言われているから、勉強をどうするのかなみたいな」

クライネ・レビン症候群は国が定める難病に指定されておらず、医療費の助成をはじめとする社会的な保障が確立されていません。ひろと君の住む自治体などの関係機関は、情報を共有しながら、支援の方法を検討しています。

こうした中、あるものが貸し出されました。

記者
「これはどういった物ですか?」
ひろと君(仮名)の父
「これは“離床センサー”といって、人の動きを感知して、動いたら音が鳴るという物です。こう、動くと音が流れる。夜中にひろと君が起きた時に、この音で起きて見守りが出来るという感じです」

過眠期には、強い眠気を引きずったまま食事やトイレに起きて、無意識に行動することがあるひろと君。寝ぼけた状態で火を使った調理をする危険もあり、常に見守りが必要でした。

ひろと君(仮名)の父
「親は常にどっちかが起きている状態だったのが、眠りながら、音が鳴れば起きる態勢になったので、睡眠時間が確保できた。非常に助かっています」

貸出をしたのは、社会福祉協議会です。

八重瀬町社会福祉協議会 島勉 社会福祉士
「本来この離床センサーというのは認知症で徘徊がある高齢者とか、そういった施設で設置されているものだと思うんです。認知症とか高齢者の場合はいろんなサービスがあるんですよ。ただひろと君の場合はいろんな福祉のサービスが受けられない。その時にどういったものがあるかということで離床センサーにつないだ」

一方で、当初から町に相談している『教育に関する支援』の方法は模索が続いています。

ひろと君(仮名)の父
「今は我々がお金を出して塾に行っているので、家庭教師のような外部の人が家に来ていただいて、義務教育を受ける権利というのは時間をかけてでもやってほしいというのは行政に依頼しているんですけど、『頑張ってますよ』と伝えられただけで、社会から取りこぼされているのかなと受け止めています」