■最初の2ヶ月は安静に 後遺症から身を守る方法は?
ーーここまで、本当に大変な現状を解説いただきましたが、後遺症がでても、みんなが重症化するわけではないですよね?
私たちのクリニックの統計では、9割の方は最初のコロナの症状が出た状況から、そのまま後遺症になっていきますので、コロナの症状が全部消えたという方は、後遺症になる確率は低いです。
また、感染から2ヶ月が経過すると、そこから重い後遺症になって寝たきりになることは少ないんですね。なので最初の2ヶ月は病み上がり期間で安静にしてください、あまり無理しないでください、と言っています。

ーー万が一重症化してしまったら、コロナ後遺症は治るのでしょうか?
最近『ネイチャーコミュニケーションズ』に載った論文で話題になっていたんですが、1年間で後遺症の症状が一旦消えたっていう方が15%しかいないんです。つまり、85%の方は1年後も症状が残っていたということになります。ですので、治るという言い方は良くないと思います。
一方で、当院の患者さんで重症、いわゆる寝たきりの方々、寝たきりに近い方々のデータをみますと、7割ぐらいの方にはかなりの改善がみられます。治りきらないことはあるにしても、改善はします。なので、決して希望を捨てずにいていただきたいです。
今は治らなくても、研究が進み、新しい薬がどんどん出てきますので、そこは安心していただいて、まずは新しい薬が出てくるまでじっくり待つ。悪くならないようにして待つ、ということがすごく大事になってくると思います。

▼平畑光一(ひらはた こういち)
2008年より東京・渋谷にある「ヒラハタクリニック」院長。2020年に「新型コロナ後遺症外来」を開設。これまでに約4000人の後遺症患者を診ている。
(5月19日放送・配信「SHARE」)