また、いじめ被害者による学校襲撃事件が起きた。アメリカ南部テキサス州の小学校で児童19人と教員2人の計21人が殺害された事件。銃を乱射した18歳のサルバドール・ラモス容疑者は、いじめを受けていたという。学校襲撃事件の背景に何があるのか。アメリカ政府は、学校襲撃事件の加害者のプロファイルを分析し、多くがいじめ被害者だったとする調査結果を発表している。悲劇を繰り返さないためにできることは、銃規制だけではない。そして日本でも…。

■ラモス容疑者の“心の闇”

(サルバドール・ラモス容疑者)
18歳のラモス容疑者の動機の解明はこれからだが、近所の人は「友人たちが容疑者の服装をからかっていた。彼はお金も持っていなかったし、上手にしゃべることもできなかった」と語っている。現地メディアによると、容疑者は思春期に学校でいじめを受けたあと、態度が暴力的になり動機につながった可能性があるとみて当局が捜査を進めている。容疑者は、中学生の頃に性格が変わっていき、他人の車に卵を投げつけるなどしていたとも伝えている。

こうした悲劇をどう防ぐのか。バイデン大統領は「もう、うんざりだ。痛みを行動に移す時だ」と銃規制の必要性を訴えている。しかしアメリカ社会での銃規制は、これまでの経緯を見ても、簡単ではないだろう。

■学校襲撃事件 加害者のプロファイル

検討すべき重要課題として他にも挙げられるのが「いじめ予防」だ。少し古い資料になるが、アメリカ連邦教育省とシークレット・サービス局が2002年5月、全米で起きた学校襲撃事件37件(加害者41人)について、本人や関係者から聞き取り調査を行い、報告書を出している。きっかけの一つは、生徒12人と教員1人が死亡した1999年に起きたコロンバイン高校での銃乱射事件だった。容疑者は同校の生徒2人で、ともに現場で自らを撃って死亡した。彼らはいじめられていた。

コロンバイン高校での銃乱射事件を含めて、調査の対象になったのは、1974年から2000年に発生した37件(加害者41人)。
▼加害者は全員男性
▼ほとんど(85%)が13歳〜18歳のティーンエージャー
▼31人(76%)は白人
▼41%は学校での成績も良く、ドロップアウトしたのは5%に過ぎない。“落ちこぼれ”が多いわけではない。
▼“問題児”として見られていた少年も少ない。26人(67%)は、事件までに学校でトラブルを起こしたことがない、または、ほぼなかった。