熊本出身の元Jリーガーが、高校生を対象にしたサッカークラブを立ち上げました。

なぜ高校生のクラブなのか。
そして元Jリーガーのクラブ運営を追いました。

グラウンドで指導するのは大津高校出身の元Jリーガー山口武士(やまぐち たけし)さんです。

山口さんはかつて、J1の鹿島アントラーズでプレー。2005年に当時のロッソ熊本に加入しJ2参入に貢献した人気プレーヤーでした。

現役引退から14年、その山口さんが今年4月、高校生のサッカークラブ「FCアルーラ」を立ち上げました。

背景には高校サッカー界が抱える課題がありました。

山口武士さん「高校の部活でサッカーを辞めたという声を結構聞いて、サッカーをあきらめてほしくない…」

熊本県内で高校生がサッカーに打ち込むには学校の部活に入るのが主流で、それ以外はロアッソの下部組織など、ごく限られた選択肢しかないのが現状です。

山口さん「同世代の仲間と試合に向かって練習を積み重ねていくという『今しかできないこと』にチャレンジしてほしい」

チームのメンバーの中には学校になじめず高校でプレーすることを断念した選手もいます。

キャプテン 若松海龍 選手「2年生までは高校で部活をしていたけれど、学校を辞めてサッカーをする場所がなくて」

学校の部活をやめたものの、本気でサッカーをやりたい。

そんな高校生たちが山口さんのチームで高校世代トップレベルのチームとの真剣勝負の場を目指し活動しています。

若松 選手「(一度は)サッカーから離れている選手が多くて、その中でみんな気持ちは一緒なので、今の自分には必要な場所です」