少年法改正で18歳・19歳も厳罰化 起訴されれば実名報道も
少年たちは被害者の心情理解や職業指導などを受け、1年前後で社会に戻ります。
出院後は立ち直って社会の一員になることを求められますが、少年たちを取り巻く環境は大きく変わりました。
成人年齢が18歳に引き下げられたため、多摩少年院では2023年から「成人式」の名称が「二十歳を祝う会」に変わりました。
特に影響が大きいのは、少年法も改正され18歳と19歳の少年への厳罰化が進んだことです。これまでは、故意に被害者を死亡させた罪のみ、裁判で20歳以上と同じ扱いを受けていましたが、2022年4月、強盗や放火、組織的詐欺罪なども対象になりました。
これらの罪を犯して起訴されれば実名報道が解禁され、懲役刑のほか、犯した罪によっては死刑になる事もあり得えます。

親の前で更生を誓う少年たち。
涙を流し、言葉に詰まる少年もいました。
「あっという間に…成人を…」
院長が近づき、手紙を代読しました。
『振り返ると、僕はいつも周りに人がいて、支えられて支えながらやってきました。これから始まっていく人生、思い切り人を愛し、人から愛される人間になっていきます。よろしくお願いします』

新たな矯正プログラム「大人へのステップ」とは
少年の社会復帰を後押しするため、法務省は新たな矯正プログラムを導入しました。
2022年4月に始まった新プログラム「大人へのステップ」
特徴は非行を反省しながら大人に必要な知識を得る点です。
導入から1年。プログラムの撮影が許可されました。
教官
「社会には必ず法律やルールがあります。それはなぜでしょう」
この日のテーマは「社会のルール」

家庭や学校などで問題を抱え、ルールの必要性を十分に学ばなかった少年が多いためです。
このプログラムでは教官が一方的に教えるのではなく、身近なたとえ話をもとに少年たちが自ら考えます。

教官
「マンションでゴミの出し方が悪いから、酷い臭いがする。なんでゴミ捨てのルールがあるのか考えてもらいましょう」
少年
「なんであるか、うーん。何でですかね」
「住民だけじゃなく地域の人に迷惑をかけてるから」
「その人たち、何でルールを守らないんですかね。守れていない人のためにレベルを合わせないといけない」
教官
「良い着眼点だね。全員が守ればこんなことする必要ない」
プログラムのもう1つの目的は「非行の反省」です。
教官
「ルールを守らない人はどんな気持ちだと思いますか?」
少年
「面倒くさい」
「もうバレないようにしよう」
「ルールを破っても、何も言ってこなければ良い」
「生活が苦しくてきつい。ごめんなさい」
教官
「あえて守らない人の気持ちを聞いたけど、社会にいた時の自分に当てはまるところあるんじゃないかな。社会復帰する時にどう改善するか、この単元を通して考えてもらいたい」















