「オールジェンダートイレ」設置「みんなの使いやすさ」目指す企業
埼玉県所沢市にある出版社KADOKAWAのオフィスを訪ねた。トイレは5か所あり、そのうち2か所に「オールジェンダートイレ」が設置されている。「オールジェンダートイレ」とは、すべての性別の人が利用できるトイレで、「多機能トイレ(バリアフリートイレ)」とは別の“新しい選択肢”として海外を中心に導入が進んでいる。

KADOKAWA広報部 岩崎智花さん
「車椅子の方など多機能トイレしか使えない人もたくさんいる。オールジェンダートイレがあることで、性的マイノリティーの当事者が安心して心地良く利用できると思います」

入口は1つ。中に入ると、男性用トイレ、女性用トイレ、多機能トイレ、そしてオールジェンダートイレの4か所に分かれている。「どのトイレを使っているのか周りから見えないように」と設計されている。オールジェンダートイレには複数の個室が並ぶ。個室の中には手洗い場やフィッティングボードがあり、身支度が完結できるつくりだ。

KADOKAWA広報部 岩崎智花さん
「個室が多く、当事者ではない社員からも『使いやすい』という声があがっています。特定の誰かのために、ということではなく、みんなが使いやすい、みんなに優しいトイレを目的に作りました」

天井のスピーカーからは、洋楽のBGMが流れていた。「音を気にする人が心地よく使えるように」との気遣いだ。入口に設置されたピクトグラムは、赤や青で色分けすることなく「黒」で表現されている。