■フィギュアスケート・グランプリファイナル(6日、愛知・IGアリーナ)

女子シングルでショート5位の坂本花織(25、シスメックス)がフリー1位の演技で挽回し、銅メダルを獲得した。

フリー後のインタビュー中にメダルが決まり、表彰台入りを知った坂本は「よかった、滑り込みー」と感極まり、涙を流した。「このグランプリ(ファイナル)でもう枯れそうなくらい泣いてるんで」と報道陣を笑わせ、前日の失意の涙からこの日は嬉し涙となった。

フリーでは2番手で演技した坂本。冒頭のダブルアクセル(2回転半)を決めると、余裕のある3回転フリップ、ショートでミスをした3回転ルッツからのコンビネーションも着氷。ダイナミックな3回転サルコウも決めて、フリップ-トウループの連続3回転で勢いに乗った。

後半でダブルアクセルが抜けてシングルとなる場面があったが、冷静に3回転と2回転のコンビネーション(トウループ)をつけ、得点を積み重ね、ダメージとなるような減点はなし。全体的に大きく崩れることなく、最後はスピン、ステップで会場を引き込んだ。

シングルアクセルの後のコンビネーションについて「先生(中野コーチ)に叫ばれました。『あ』に点々がつきそうな『あ゛』みたいな(笑)。力ずくで跳んだら跳べました(笑)」と窮地の場面を振り返った。

続けて「もう今日は、本当にアクセル抜けるところまでは、ほぼ何も考えずに、なんだろうゾーンに入ってたというか。いい集中力でできてたなって思います」と重圧の中でも冷静に滑っていたという。

今季GPシリーズでは、フランス杯で2位、NHK杯では今季世界最高の227.18点で連覇。「グランプリシリーズ2戦とも、すごく自分にとって成長部分でもあったし、フランス大会では、220点超えても勝てないんだっていうのも気づくことができた。今回も(ショートで)こういうミスがあって、それでも220点近く出たので、そこは本当に過去の自分が救ってくれたのかな。本当にこのグランプリ3戦とも意味のある試合だった」と振り返った。

【女子シングル結果(合計点)】
1)アリサ・リウ 222.49点(SP75.79点、FS146.70点)
2)中井亜美 220.89点(SP73.91点、FS146.98点)
3)坂本花織 218.80点(SP69.40点、FS149.40点)
4)アンバー・グレン 211.50点(SP66.85点、FS144.65点)
5)千葉百音 210.22点(SP77.27点、FS132.95点)
6)渡辺倫果 207.14点(SP70.68点、FS136.46点)