三陸鉄道で23日、大地震発生を想定した訓練が行われました。安全が確認できれば緊急停止した列車を再び動かすことでスムーズな避難につなげることが狙いです。
訓練に参加したのは、三陸鉄道の社員らおよそ40人です。訓練は列車が岩手県宮古市の田老駅手前を走行中に、震度6強の地震が発生し、その後大津波警報が発表されたという想定で行われました。
運転士は列車を緊急停止させ、乗客の安全と人数を確認します。
これまでは乗客を列車から降ろして避難誘導を行ってきましたが、今回は、目視で線路の安全が確認できたこと、大津波警報が発表されていて時間を争うこと、乗客の人数が多いことなどから、田老駅まで列車をゆっくり移動させ避難する判断をします。
そして乗客を駅で降ろし、高台まで誘導しました。この判断がスムーズな避難につながった訓練になりました。
(三陸鉄道 成瀬賢紘 運転士)
「実際に利用客を避難させるとなると、一切土地勘のない人や、外国人など日本語の通じない方もいるかもしれせんし、その際にどのようにお客様にご案内するか考えさせられる訓練になりました」
訓練に参加した社員たちは、災害発生時のさまざまな状況をイメージしながら、気を引き締めていました。